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[44] 三日月宗近
>>43 (一向に口にしないことに疑問の色を伴った薄い笑みのままで口上を聞く間に悠然とした性格の割に精度の高い体内時計が告げる三十秒。湯冷ましの際温められた湯呑み二つへ数回に分けて交互に急須を傾け、程よく色付き適度な苦味渋み旨味全てを孕んだ茶を最後の一滴まで余さず注ぎ入れた後片割れを彼女の手元に置いてやり、逃げ道こそ用意してあれど幾分推しの強い様子に些か眉尻を下げ失笑をこぼし先程と同じ甘味の箱に手を延べ己の皿を拵えつつ)俺は菓子を啄むまでもなく笑ってばかりいるから、いつ見ても同じ顔だと皆に言われるくらいなんだが。まぁ、固辞するほどのことでもない、すぐ済むから冷めぬうちに茶を召し上がれ。火傷しないようにな。 おなごに齢の話は禁忌ではないか?軽口だとしても、だ。それに、人は老いるが刀である俺たちは老いることがない、いつまで経っても来ないぞという話さ。手数をかけるが任せた。 俺はまだ平気なんだが、鶴丸は優しい男だったからな、致し方あるまい。来るも去るも基本的には拒みはしないから、縁があればまた会うこともあるだろう。 あいわかった。では主、改めてよしなに。この立場では世話をされるのは俺のような気もするが、尽力させてもらうか。

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