[6] マリー･アントワネット
まあっアマデウス！来てくれたのね嬉しいわ。あなたの演奏が加わったのなら思わず踊り出してしまうかもしれないわ。ご一緒にいかが？と誘いたくても誘えないのがとてももどかしくなってしまいそう。 もう、いけないひとね。またどなたかにご迷惑をおかけしているのでしょう。ちゃんとごめんなさいをしなくっては駄目よ。あんまり懲りないようだったら頬をつねってこらしめ、て……───あら、あらっまあ！ どうしましょう。こんなに素敵なお誘い、受けない手はないわっ。なのにおかしなアマデウス。あなたはあなたなのに、お世辞だなんて必要としないのに。あなたは素敵よ、って。そう白状させる為の作戦なのかしら。 そうだわ。わたしだけがアマデウスを、あなたを独り占めしていてはこちらからも不満の声が上がってしまうかもしれないのよね。残念だけれど、ええ。先ずは必要なことをお伝えします。 誰と誰の物語を紡ぐか、どの設定で始めるか。そうした必要不可欠なお話しは、ふたりっきりで進めてしまうのはどうかしら。 欲張りなあなたはわがままなわたしの望みを一緒に叶えて下さるのでしょう？それってとっても素敵だわ！ あなたからのお返事があったらお迎えに上がります。ねぇアマデウス。この手を取って下さるかしら。はいかウィ、で答えてね♡