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[2930] モードレッド
…はあ……。…極楽…極楽…っと、… (前髪に滴る水滴が心地好い。季節は秋に差し掛かり露天を吹く涼風に頬撫でられて双眸細めれば瞬きする視線の先に紅葉と雲と月。喧騒こそが相応しい我が身なれど風情あるこの情景と湯船に浸れる今だけは自分自身を甘やかせてもいいのだろうと浴槽に背を預ければ深呼吸の後にすっかり重くなった瞼を閉じて) … (静寂の中、脳裏に思い浮かぶのは我が主でも我が王でも無くあの日、トゥリファスにて、共に駆けた戦友の背中。掴み損ねた栄光と不味い煙草の味。「心残りがある」と言えば嘘になるし「満足したか」と言われても嘘になる。「もし」「たら」「れば」…らしくないと自嘲しながらも静かに瞼を開くと水面に映る弱々しい自分を受け入れるつもりで胸に宿った願望を一人声に出してみて) ──いつか…、…いつか…アンタとも、肩を並べて休日を楽しみたかったよ…マスター?

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