聖杯戦争【始動】

>>10

……お前は何よ言ているのだ。こん世界は昔っから何か勝ち取る為に戦ば繰り返し、今お前がおる場所が成り立っちょる。おいはそげんして生きて死んだ。そいが日の本の武士ぞ。今更そいの何がおかしいのだ。お前はおいを否定するのか。戦が出来んのならさぱっと死せい、そいも出来ん言うなら帰れ。ただの町娘の来る場所じゃなか。
（過程はどうあれ何れにしても行う事は変わらないのだから大した意味も感じられない監督役の話を欠伸混じりに聴いていたが、不意に聞こえた何処か悲痛な少女の言葉に目を向け、かしゃりと鎧の擦れる音を立てながら目の前にて仁王立ちして見下ろし、少女の言葉は一見正論にも聞こえ、生きた時代の違い故と理解もできるがそれでは歴史の道理が通らぬと納得せず、難なら今斬り殺しても良いとそんな抜き身の刃の如き鈍い光を瞳に宿し、自身の帯刀した誇るべき得物に触れて）