表示設定を共有できる[みんなの表示設定]を実装しました。オススメの表示設定を絶賛募集中です。

[24]
ふふ、旦那にそう言ってもらえるなら本望だ。 そうだな、なら少々厄介な後ろ盾をつけて、俺らの弱点を吹き込まれた状態で正式な客として来るのはどうだろうか。無碍に出来ない復讐目的の客、というのは非常に楽しそうだ。 ―――― わかった、旦那。次はあんたの耳に届く前に全て排除するとしよう。あんたの周囲に、あんな雑音はいらないものな。 (少し不調気味な背に違和感を覚えるまでもない相手だったと、負け犬の声を上げながら去っていく生酔共の存在を聞き流していたが、見世に引っ込む前にこちらに振り返った己が主を不思議に思いつつ自身も足を止め。これっぽっちも身に沁みてこなかった他人の罵倒とは次元が違う想い人の褒め言葉に、想い人がこちらを見つめているだけですでに若干上昇していた気分が更に上向き、珍しく見慣れていない者にも笑んでいるとわかるほどに表情を緩め。そのままの表情で相手にとって不要なものは全て排除するという物騒な宣言を、求愛のために囁く詩を捧げるのにも似た心持ちで告げるけれど、舞い上がった気持ちのままの応えゆえ彼の真意を汲み取ることはせず) それでは、手を煩わせてすまなかった。 (穏便に済ませようとしたことで逆に楼主を荒事の先頭に立たせてしまったことを詫びて頭を下げ、表情こそ常の薄いものに戻すものの、犬であれば尾でも振っているのではないかという上機嫌のまま己の持ち場に戻り。一部始終を心配そうに見ていた見世番には、俺であんなに笑えるんだからあいつらは見世物小屋にでも行った方が安上がりだったのにな、などと冗談を飛ばすものの理解はされないどころかむしろ引かれ、それすら気付かない状態で)

お名前:残り文字

本文:残り文字

[下書きを保存] [下書きを復元] [メモ帳に保存]