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[29] 右京
成程……そうなると従業員からの信用もぐらつく、結構問題だね。 はは、我ながらなかなかに悪意のある場面選択だったと思うよ。お前にとっては“とらうますいっち”という物だろうしね。 そうなったら本格的に高瀬の爺様には頭が上がらないね。私も、お前も。…丁度そんな雰囲気で作ったから大体合っていると思うよ。体の繋がりを持たず、女郎の苦労や粋を分かっている善人、そんな人が1人位居ないと本当に暗く落ち込んでしまうからね。 ―――― (今日のお客の最後の一人が帰る頃にはもう見世終いの準備はほぼ終わり、従業員達も居住区域へと引っ込んで行き。そんな中、自分は文机に向かい、書類仕事を。厨当番の者から差し入れられた他の者よりかは少しだけ豪華な…、と言っても、握り飯にお吸い物漬物が付いただけの食事を差し入れてもらい、それを片手に筆を走らせて。今度水揚げされる女郎の着物の手配、他の見世との付き合いやタチの悪いお客の対処、考える事は山積みで今日1日で片付けられそうな気がしない。結局眠る事は無いまま日が昇り、少し気分転換にと庭を見に縁側へと出ていき) ……ん…眠いな…。 (縁側に座ってぼんやりと朝日に照らされた庭を眺めていれば、遊郭とは思えない長閑な風景に自然と欠伸が漏れ。あの花はなんという名前だったか、あの木は、あの草は、そんな事を考えて頭を覚醒させようとするものの、眠気には勝てず。ころりと後ろに倒れ、そのまま死んだ様に静かな寝息を立て始めて)

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