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[31] 右京
そこは気張っておくれよ。声が出せる状況ならば、私が呼ぶのはまずおまえの名前だろうし。 犬に慣れるのは無理をしなくてもいいんだよ。嫌な顔をしなくとも少なくとも好きにはなれないだろうし…。 ……とかなんとか言っておいて、実は私の本体が気のいい爺キャラを好きなだけ、と言うのもあるらしいけどね。 ―――― (穏やかな風、暖かな太陽の温もりは酷く心地よく、布団の中のようで。ぼんやりとした夢とも記憶とも付かないそれに浮かぶのはなんだろうか。昨日のあの可愛らしい犬、顔も覚えていない母の事、厳しくはあったが生きる道を与えてくれた父のこと、可愛がってくれた女郎の事……小さい頃から知っている、信頼できる彼の事。少しだけ光が遮られ、瞼をぴくりと動かすも、目は覚まさないままで) ……ん…、 (ころりと寝返りをうち先程とは反対の方へと体を向けると僅かばかり目を開き。とろとろと心地いい微睡みに浸って。今日の夜も昨日の夜の様に、何事も無ければいい。自分目当ての客が来ず、彼の手を煩わせる事もなく、退屈をすることも無く。一つ、規則正しい呼吸の中に薄い吐息を零すとそれと同じ声で“せき”と彼の名前を呟いて)

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