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開き直ったら自然に呼べそうなんだが、開き直るまでが長そうでなぁ……だが、上書きしてほしいなんて言われたら、不器用でも何度でも呼ぶかも、しれんな。 逆を言えば、主人には、絶対服従だからな…………面白くもないし、この話はやめよう。どう頑張っても、あれを愛でることはできないことだけ伝われば、それでいい。 ……その真綿を首輪と思えば心地良い、というとあれらみたいで嫌なんだが。俺はおそらく、この今の関係を壊すのが怖い。それが好転に向かうのだとしても、な。 ―――― そうか…っ、ぅ…………旦那の、気のせいじゃ、ないか? (急に腕が開放されて不思議に思うよりも体温が離れた寂しさが心に浮かぶものの、そのままそっと両頬に添えられた手の感触に、くすぐったさにも似たぞくぞくとした感覚が背筋を流れて小さく身体を震わせて微かな呻きを零し。次いで優しい力で顔を上げるよう促されれば逆らうことも出来ずに顔を持ち上げ、すぐ目の前にある整った顔の紡いだ言葉に眉を寄せるが、不快よりも聞かれていたのかという困惑と僅かな憂いを表情に滲ませて。何か返さねばと思い口を開き、けれど言い訳も嘘も事実も内心も、どれも言葉にできそうにはなくてただ空気の足りない魚のように開閉させただけで終わり、迷い彷徨わせた視線を再度伏せて目を合わせることから逃れ、結局は一番短くて済む嘘を口にして)

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