表示設定を共有できる[みんなの表示設定]を実装しました。オススメの表示設定を絶賛募集中です。

[44]
すまない、少し言葉が出てこない日が続いた。 日頃励んでいる彼女らには悪いが、俺にはあんた以外は等しい程度にしか見えん。 そうだな…一応次か次の次で件の第三者にご登場願おうと思っている。俺の感情は元からあんたにしか向いていないからな、それが表に出れば追う側にでもなりえるだろうさ。 ―――― ありがと、う、ございましゅ……っ、はいっ、姉さん方のように、芸事も伽も頑張ります! (涙を拭ってもらうとすん、と鼻を鳴らし涙声と共に限界を超えた涙を一粒流すが、それ以上は口を閉じて耐えながら楼主の話に耳を傾け。機会があれば、でぴくりと反応し、強請ればいいという言葉には、客を取ることがどういうことなのかくらいはすでに理解していながら、実際に経験していないためかただ期待だけに目を輝かせ、無邪気に残酷な自身の未来を肯定し) …その機会が訪れることのないよう、願ってるよ。………俺なんかが腹を立てても、仕方ないだろうに。 (背後から聞こえるこちらへの呼びかけに僅かに動きを止めるが、すぐ何事もなかったかのように歩き出しながら後ろ手に手を振り。廊下の角を曲がり二人の死角に入ったところで足を止め、幼子の酷い宣言に奥歯を噛み締めて自分にしか聞こえないような呟きを漏らし、嫌な感情を振り払うようにがしがしと頭を掻いて、汗でもかいて全て押し流してしまおうと己の得物が転がる部屋を目指し)

お名前:残り文字

本文:残り文字

[下書きを保存] [下書きを復元] [メモ帳に保存]