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[45] 右京
いやいや、言葉が自然と溢れさせるような返しをしなかった私が悪いのさ。すまないね。
…お前は人もあまり好きではなさそうだものね。まぁ、人も知性があるだけで獣に等しいし、仕方ないかも知れないが。
了解したよ。では登場させられそうな土台を整えておくよ。どんな人物像かはおまかせしてしまっていいかな。勝手に想像すると胡散臭い僧侶姿、しかし不思議と嫌味は感じない豪快な人間、と言う風なんだけど。ほら、丁度源義経のお供、弁慶みたいな雰囲気で。
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…あぁ。お前は器量よしだからね。きっといいお客様が付いてくれるよ。
(最後に一つ、彼女の頭を撫でると背を向け、元来た道を戻り。分かっているようでその実なにも分かっていない彼女。大人になった時に今日の事を思い出し、自分を恨むだろうか。……いいや、そうであったとしても自分が悲しむ事なんて許されない。自分はそういう仕事に居るのだと。しかし、せめて想像を超える酷いことをしでかす様な客がつかない事を願うくらいは許されるだろうと。少しだけ自分の役割を再認識した様で、憂鬱な気分になりながら自室の布団に倒れ込んで。)
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…さて、仕事だよ。皆、気張って行こう。
(夕刻、少しだけ眠り、疲れも僅かに残るのみになった体を引きずりながら、昨日と同じ様に男衆、女郎に声を掛け、急かして回って。1通り準備が整い開門の時刻になり、さて今日はどんな客が来ることかと。昨日のような事があった時にすぐに対処出来るよう、今日は番台の横に居場所を作ってもらっていて。自分が楼主だと知る相手にも、知らぬ相手にも等しく挨拶をしていて。)