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すまんな、そうしてくれると助かる。 あー、それで思い出した…かの御仁を扱う際に了承を取るどころか一声かける事すらしていなかったな…。旦那が脇の扱いに寛大な性質で救われたよ。事後になるが、これからもあのような登場をさせる事もあると思うのでよろしく頼む。 ―――― おお、言ってみるもんだねぇ。こいつぁむしろ得しちまったか?千早を選んだ見る目のある男に感謝しなくちゃあなァ。 (離された手を肩を竦めて引っ込めながらも自身の注文を聞き入れてくれたことには浮かれたような喜色の声で返し、立ち上がって通い慣れた廊下を進み行く楼主についていく前に番として指名された不寝番を振り返り、どこか含みを持った勝ち誇ったような笑みを見せつけ、そんな一瞬の出来事など存在しなかったかのような悠々とした態度で彼の後を追って) っ、御意……。 (彼が取られた手を自らの意思で外しても何事も起こらなかったことにほっとしているとそのまま彼と視線が合い、告げられた内容にほんの僅かばかり呆けるがすぐに了承の声を上げ。そして目に入れたくなくとも見せつけられた男の笑みになぜだか心の臓が縮こまったような気になり、襖一枚のみの隔たりとはいえ密室と化す場所に楼主とあの男が共に入ると思うと痛みすら走るような心持ちがあったが、それを止める術など持たずのろのろとした足取りで彼らが向かった座敷へと足を向け)

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