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悪い、しつこかったな。うまく言えそうにないが、ちょっと嬉しかったというか、自分は面倒くさいことばっかり書いてたなと思わず笑ってしまった。ありがとう。必要な際は、遠慮なく高瀬殿も動かさせてもらうよ。 ―――― ははっ、そりゃあねぇだろォ、寂しいオトコなんだから慰めてくれや。…そうさなァ、お前さん、擦り込みって知ってるかい。鳥の雛が最初に見た動くものを親と認識するって話なんだがな。…その現象は、鳥だけのもんだと思うかい? (勝手知ったる座敷に通され、いつもであれば指名の娘を侍らして座る上座に一人胡座をかいて、茶を入れる楼主の姿を観察するように目を細めながら眺め、冗談には愉快そうに笑った顔のまま情けない声を出し。話を促され渡された湯呑みにはちらと視線を向けるものの手にとることはせず、まるで世間話でもするような調子で話し始め表情こそ愉快そうなものを崩さないが、瞳だけは素の鋭さのまま底を見透かすように相手を見据え) (二人の消えた閉じられた戸の先で一度立ち止まり、開くはずがないとわかっていてもじっと見つめてしまうが、一つ大きく息を吸って吐き出し気持ちを入れ替えて、耳元で囁く睦言ならばともかく普通の会話は聞こえすぐにでも中に踏み込める場所に静かに座し、目を瞑って聴覚に集中して)

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