表示設定を共有できる[みんなの表示設定]を実装しました。オススメの表示設定を絶賛募集中です。
[54] 隻
ああ、使えそうならどんどん使ってくれ。適宜設定も追加してくれていいぞ、寝ると身じろぎ一つしないとか、隠しているけれど千早経由で辛い物が苦手と知っているとかな。
うん?旦那も高瀬殿から始まり合間合間に番頭やら何やら使ってくれていたじゃないか。単に俺が自分のロールと切り離して描写するモブを大量に出してるだけで、旦那のやり方だってモブの動かし方だろう。
それと、わかりにくいから書いてしまうんだが、今回の問答は旦那に疑心を与えるのが目的だ。それをどう取ってくれても構わないぞ。
――――
つれねぇなぁ…ま、そういうところもいいんだけどな。おー、こりゃあ話が早ぇ。では二つ目の問いだ。その感情が真実真っ当な恋慕であると考えるか?それしか与えられなかった者が拙く結んだ感情だ。いずれそれを上回る衝動を得れば、簡単に塗り替えられるかもしれねぇ。まして、双方似たような状況であるならば……、と、時間切れだな。待ってたぜぇ千早ぁ。
(春を鬻ぐ女たちとは異なり過剰に慰めてくることもなく淡々と受け流す姿に満足そうにして。話題が人間に移行したのを手間が省けたとばかりに笑い、芝居がかった調子で指を二本立てどこか冷えた瞳で楼主を見つめ、まるでそんな感情はまやかしであると言わんばかりに並べ立てながらちらりと座敷の外、控えているであろう不寝番を見透かすように視線を投げたが、最後の言葉を紡ぐ前にかかった女の声にふっと目元を和らげ、開けられた襖の向こうで頭を下げている娘に甘ったるい声をかけ)
(刷り込み、という聞いたことのない現象の話には、そんなこともあるのかと殆ど聞き流していたが、こちらに足音が二つ近付いてくるのに気が付いて目を開け、二階番が千早と名付けられた遊女を伴っているのを見、静かにその場を明け渡して、彼女が作法に従って客に声がけして座敷に上がるのを横から眺め)