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/元々はもっと簡単に発破かけるはずだったんですが、その流れをきれいに忘れる(!)ということを仕出かしたので、こんなに長くなってしまいました…。廓言葉すごいです!!馴染む!!現代の方言より資料ないから大変ですよね。 この後しばらくウジウジしているだけなので、そこは時間経過させて前に話していたあの子犬を連れた嫌な客を来店させましょうか。ウジウジしたり避けたり無理に笑ったりなところが見たい場合は時系列順にやりますー。 ―――― (あまりの取り乱しようにもう一人の不寝番に心配されながらもなんとか見世が閉まるまでは表で見張りを続け、番頭が片付けを指示したのを聞いて楼主に遭遇しないよう人などに隠れながら部屋まで辿り着き、障子を締め切り一人きりの空間に閉じ篭もれば小さな子どもがするように縮こまって膝を抱え。花に何かを求めたことがないように、彼に対する想いも眺めれば勝手に己が浮つくだけで、何一つ求めたことなどなかった。故にこれは客や遊女たちが軽く囁く愛や恋の類ではないのだと、ずっとそう思ってきた。否、そう考えるようにしていた、が正しい。抉り出された感情はなんてことのない、自身の忌み嫌った人の汚い感情そのもので。これを欲ではないと言い切ることはもはや不可能で、けれどあの男が言うように欲だけではないと思い切ることも出来ず、ただ鬱々と苦味に耐える。唯一思いついた逃げ道は、この欲がこれ以上膨らまぬよう、彼を傷付けることのないよう、離れていくことだけで) ……ああ、ああ、これ以上間違えはしないさ。 (キリキリと痛みを伝えてくる胸には気付かないふりで小さく呟き、上を仰げば光が届かず薄暗い天井が目に入って、ここに閉じ篭もることこそが自分には似合いだろうと自嘲的な笑みが浮かべ、凛と美しく咲き誇る一輪の竜胆の花を想いながら目を閉じて)

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