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[66] 隻
/どう話を持っていくか悩んでいたので、格好がついていたならよかったです…!今と意味が違ってしまっている言葉は大変ですね。焦れったいの中に腹が立つが含まれてるのはわかりますが、それ単体だとは思いませんもんねぇ。
時間経過ありがとうございます!縁側で一回焦れ焦れしてますし、これ以上いるかな…と思ってたのでありがたいです。そして盛大にすれ違う…ごめん右京さん…。
――――
………、っ…!
(今日も変わらず想い人の声が聞こえるか姿が見える瞬間にその場を離れ顔を合わさないよう逃げ回っていたため、人の感情に敏い女どもに冷めた目で見られ、古馴染みの遣手からは説教よりは愛のあるお小言を食らったが、楼主と何かあったのかという問いには何も答えず。彼の目を避けるために少し遅れて持ち場に着くのもここ何日かのお決まりで、妓夫や対の不寝番からはよっぽど声をかけにくい顔をしているのか特に声をかけられないのを幸いと思ってしまうのは心の弱さだろうかと考えつつ、あまり代わり映えのしない道や行き交う客の顔を眺めていたが、微かに風に乗って聞こえた獣の鳴き声に勝手に肩が跳ね。思わず音のした方に目をやれば薄汚れた子犬と成犬の間くらいの犬を引きずり歩く、面布で鼻を覆った男が真っ直ぐにこちらを睨んできているのがわかり知らず呼吸が浅くなり身体が強張って立ち竦んでしまい)
(以前自分の鼻を割った相手を睨みつつ荒く歩いていると、その見世の妓夫が慌てたように止めに来たので舌打ちをしながらそいつに目をやり、懐から金の包まれた懐紙を突き出し周りにも聞こえるようにただ一言、決められた言葉を告げ)
お前んとこの楼主を買う。金は十二分に足りるだろう。