[843] 　　エミヤ。　　
…、幸せだから、楽しいから怖いんだ。幸せであればある程に、…その先が恐ろしい。…そうか。君なら、そう言うんじゃないかと思っていた。だから、どう伝えるべきかも考えていたのだがね。君にそう言われてしまっては、どうにも手放し難くなってしまうから。 そうなのか。…少し、意外だな。君に執着はないと思っていたから。不謹慎かもしれないが、少しだけ、安心した。そう思ってもらえるだけの価値があったんだな、私に。 私は貰ってばかりだからな。少しでも、君に報いたいと思った。…だが、そうか。恋人とは、そう言うものか。間違えてばかりで、すまない。また、君に教えられたな。 言いたい事、…か。そうだな、…許しが欲しい。君がいない時間、外へ行く事を、許して欲しい。…常日頃から、と言う訳ではないが、…気を紛らわしたい時もある。いつ来るのか分からない時は、特に。不安にさせるとは、分かっているのだが…、この侭でも、また面倒を掛けるだろう。…もしくは、一言、私に黙れと、大人しく待っていろと言ってくれ。君の口から聞けたなら、きっと大人しく待っていられるから。