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[666] 桜木
恐らくこの手紙は貴方には届かない。それはわかっているんだけれどどうしても募る思いが抜けなくて。 何年前のことだろう。貴方に出会ってひと目で恋をしたんだ。お互い興味もない出会いの場所で、ケーキを一緒に食べたね。連れ出してもらって何度も文章のやり取りをした。素敵な文章、きれいな仕草に可愛らしい笑顔。悪戯ばかりするけれど、紡がれる言葉に胸の小躍りが消えなくて何時だって中心は貴方だった。 何時も何時も迎えに来てくれる貴方が大好きだった。身体が丈夫ではなかったから。その度に間が空いてしまって中々会いに行く勇気が出なくて。いつか、終わる恋なら。貴方の恋人のまま終われると思うとそっちのほうが幸せな気がして。すごく勝手な言い分だったのだけれど。 今でも、貴方に恋い焦がれる日々を過ごしています。もう、貴方からもらったメッセージや、メールはどこにも見当たらないから、振り返ることもできないけれど。先日送ったメールにも返事がなかったところをみるときっともう最期なのだと思い知らされるんだ。 でも、待っていたんだ。貴方が何度も待ってくれて迎えに来てくれていたように。 最期、言いだせなかったけれど、もっと一緒に色々な場所に行きたかった。もっともっと、たくさんの事一緒にしたかった。ちゃんと恋人になりたかった。 ねえ、潮。今更だと思うかい?。奇遇だね、俺もそう思うよ。でも、忘れられないんだ。もう縋るものは何もないのに、貴方の存在が離してはくれない。こんなに幸せな恋はないね。愛しているよ。 スペース、有難う。

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